■どんぐり475ノベルズ プロジェクト
■提案者
明石裕伸/名古屋建築会議・NAC
■提案場所
全てのどんぐりひろば
■提案の概要
475箇所のどんぐりひろばに475の小説がある。
各どんぐりひろばに1冊の本があるのだが、手に取ってみるとページがばらばら。
ひとつの小説は1ページづつばらばらになって、市内のどんぐりひろばに散らばっている。
例えば、71番のどんぐりひろば、表紙に71とだけ書いた本が1冊置いてある。
中は韓国純愛小説。
しかし、1ページ目を読み終わると、「どんぐりひろば209につづく」と書いてある。
まだ、ページはあるのに・・・。
2ページ目を見ると、「どんぐりひろば318より」とあり、サスペンスものの内容だった。
3ページ以降も全て別の小説の一部。
どうしても韓国純愛小説の続きが読みたい。
最後のページに載っているマップを頼りに、209番のどんぐりひろばに向かった。
209番には表紙に209と書かれた本が1冊置いてあった。
続きは2ページ目にあった。
「どんぐりひろば71より」と書いてある。
そしてそのページの終わりに「どんぐりひろば131に続く」とある。
こうしてどんぐりひろばを彷徨い、51番目に訪れたどんぐりひろば16で、
韓国純愛小説は切ないフィナーレを迎えた。
小説の平均ページ数が50とすると、全ページ数は、50×375=18750ページとなる。
それが375箇所のどんぐりひろばに散らばるので、
それぞれのどんぐりひろばには等しく50ページの本が置かれることになる。
短編から長編までさまざま、最長475ページの大作となることができる。
ひとつの小説が都市の中に広がり、そのような小説たちが都市の中で複雑に重なる。
それぞれの小説では、さまざまな人間模様が展開され、まさしく都市そのものを体現する。
経済的な動機、市の思惑、こどもたち、お年寄り、専有化しているひと、
一生懸命手入れしているひと、放置しているひと、無関心なひと、
数あるどんぐりひろばは都市の諸相を反映しているように思う。
このプロジェクトはどんぐりひろばのネットワークに、小説を分解し散在させることにより、
現在の都市の有様を顕在化させるものである。
具体的には
市政資料館でのプレゼンテーションとするが、
もっとも近い71番のどんぐりひろばに1冊本を置くことによりリアリティを持たせたい。