大名古屋展-どんぐりひろばプロジェクト- | どんぐりひろばプロジェクト・プロジェクト編

大名古屋展-どんぐりひろばプロジェクト-

大名古屋展-どんぐりひろばプロジェクト- 

                  
 
1 展覧会名称  大名古屋展-どんぐりひろばプロジェクト-
               リサーチ編・プロジェクト編


2 会期     2005年7月25日(月)~9月25日(日)


3 会場     前半・リサーチ編/名古屋市市政資料館・第5展示室 
          8/2(火)~8/28(日)(月・第3木曜休)
          後半・プロジェクト編/名古屋市市政資料館・第2・第3展示室 
          9/2(水)~9/29(木)(月・第3木曜休)

          名古屋市内各所どんぐりひろば 

          7/25(月)~9/25(日)


4 主催     名古屋建築会議(NAC)


5 協賛     セントラル画材・丸紅建材・スギヤマ・アケボノアートワークス・
          (株)玄技術研究所・オールプリンティング大信社・(株)ニチバン・TOTO他


6 展覧会開催主旨


名古屋建築会議では、名古屋の都市像の本質を探ってきたが、

今回は名古屋にしかない特筆すべき存在として、どんぐりひろばに着目した。


どんぐりひろばとは、幼児などの遊び場を確保するために、地域住民の要求により、

名古屋市が設置し住民が管理・運営しているひろばである。

1967年に市が独自に施行した制度で、興味深いことに、

市では公園課や緑地課などの土木系ではなく、児童課という福祉系が管轄しており

都市公園法の公園とは異なったものである。

もとは土地区画整理の際に発生した、市が所有する余剰地と、

所有者に事情がある私有地であり、期限を定めて開放されている。

私有地の場合はその間固定資産税・都市計画税などは免除されるしくみになっている。

時代とともに場所や数は変化し続け、

現在その総数は497ヶ所、総面積は146,350㎡にもなる。

現状は都心部と市周縁部にはほとんど存在せず、

ドーナツ状に分布しているのが特徴である。

使われ方の実態は、少子高齢化に伴い子供たちが遊ぶ事はほとんどなく、

老人が日向ぼっこをしているか、放置され寂れたものになっている場所が多い。


名古屋建築会議が企画する「どんぐりひろばプロジェクト」は、

名古屋で生活する人ですら、ほとんどの人が意識していない

市内に点在するどんぐりひろばを対象に、

リサーチ型と提案型の活動を同時に行うものであり、

名古屋にしかない風景の発見や名古屋でしかできない

さまざまな活動の提案を行おうとするものである。

その成果の一端を一般の人々にわかりやすく伝えるために

「大名古屋展」として開催したい。


7 展示内容
  
展示は、前半のリサーチ編と後半のプロジェクト編の二つに大きく分けられる。
いずれも名古屋市市政資料館と各地のどんぐりひろばを会場として行う。


前半のリサーチ編は、このどんぐりひろばが名古屋市独自の制度であること、

現在の名古屋の都市や建築状況を端的に表していること、

ともすれば名古屋人の価値観や気質までも表しているのではないか

という仮定のもと、普段誰も気に留めない場所が、

とてつもない可能性を持っている場所として捉えなおすことが

出来るのではないかという思いに駆られ、

市内16区の各所に眠る497ヶ所、すべてのどんぐりひろばを

リサーチした結果とその分析の展示である。


形・広さ・地形といった基本形状、遊具や花壇などの設置物、使われ方、

ロケーション、時間の経過などの違いによって、様々な状態の

どんぐりひろばが存在することがわかってきたが、

これらの展示は、現状のどんぐりひろばそのものの、

いわば考現学的な展示である。


製作したパンフレットは、プロジェクトの主旨を説明するものだけではなく、

市内の主要な観光地や散歩ルー卜などを包含したルートマップでもあり、

どんぐりひろぱを巡回できるだけでなく、万博来訪者などが、

名古屋市内を楽しめることをも意図している。



後半のプロジェクト編は、この特徴のあるどんぐりひろばに対して、

建築、美術、音楽、ダンス、教育など、さまざまな視点からの使い方の提案である。

現在ほとんどの場所が十分に使われていないどんぐりひろばが、

これからの少子高齢化社会における町内会や地域社会活動の再構成の

きっかけともなるような提案を、名古屋市市政資料館と現地とで広域的に行う。
重点的な提案を行うどんぐりひろばを、21ヶ所設定し、

アーティストやメンバーらが現地で実際にインスタレーションなどの

展示やパフォーマンスなどを行う。
作品はそれぞれの地域の生活に密着したものとし、

子供や老人など地域の人々が作品に触れたり、

その場を利用したりすることによって、

どんぐりひろばの存在を改めて考え直すきっかけとなればと考えている。

これらの場所は、名古屋市内の主要な観光地、名所・旧跡や

区が設定している散策ルート、地下鉄、バス路線などと絡みながら、

大きなループとなるように計画・配置している。
また、どんぐりひろばに対する様々な提案や作品を

名古屋市市政資料館にて展示する。
提案は、制度そのものを問い直すもの、対象を幼児だけでなく

子どもから老人までとするもの、空間的や用途的な提案、

作品としての提案など、多岐にわたる。


このプロジェクトは、万博期間中のイベントとして終わるのではなく、

将来的に維持・継続できる活動として、

どんぐりひろばという場所の使い方や名古屋市独自の制度の改変をも含めた

提案をこの活動を通して行っていきたいと考えている。


どんぐりひろばのリサーチを通して捉えられた「名古屋」に対して

いかにアクションを起こすか。
どんぐりひろばへの提案で示されるのは、「あるべき名古屋」ではなく、

「名古屋の可能態」である。

この展覧会を見た人々それぞれが、どんぐりひろばを通して

「これからの名古屋」を考える契機になるようなヴィジョンを提示したい。


8 参加作家


明石裕伸
浅野史郎
宇田もも
カタルニ・アタイセズ
北川啓介+名工大北川研究室
小林大地
COMMA(川村さちよ)
椙大CIA見聞会~she‘d~
高橋陽子
タナカアリフミ(SILENCE scape)
戸松良江+近藤佑希子
永田圭
名古屋建築会議
名古屋大学建築学コース3年
NEKトリオ
野良猫劇場
深谷直子+小林聖明
FLAT
ふるかはひでたか
プロジェクト展コーディネートチーム
武藤隆
吉村昭範+篠原真基
山田幸司+中野稔久


9 関連WEBサイト

どんぐりひろばプロジェクト・メインページ 
http://www.n-a-c.net/donguri/donguri.html
どんぐりひろばプロジェクト・プロジェクト編 
http://dongurihiroba.ameblo.jp/
どんぐりひろばプロジェクト・リサーチ編
http://dongurihiroba2.ameblo.jp/